Windows不具合カタコト詐欺
インターネットを見ていたら突然
- このパソコンはウイルスに感染しています
- システムの問題が何千個も見つかりました
- ビープ音が鳴り、直ちに処置が必要というメッセージ
という煽り商売(詐欺)が結構前から繁盛しているようですが、いまだに貢いでしまう方も多いようです。
Windows不具合カタコト詐欺
- パソコンの不具合を煽る
- 一方的に伝えるためにカタコトオペレータ
恐らく日本人オペレータだと成り立たないでしょう。
お客様が被害にあってしまったので、少し調べてみました。
上記のような偽警告と共に「今すぐ対策ソフトをダウンロード」というリンク経由で有料アプリ(今回の場合は7,000円のクレジット決済)をインストールさせて、さらなる泥沼へと引き込もうとしてきます。
パソコンをチェックすると、無料アンチウイルスソフトのavastに加えてSmart PC Careというアプリがインストールされていました。
「お客2276様のPC上で問題が検出されました」
→ 「様」の位置違うからっ!という突っ込みはさておき…。
7,000円で購入したものは「警告表示ツール」と「無料avast」のセット。
もともと別のセキュリティ対策ソフトがインストールされていましたがお構いなしに導入されるため、パソコンのパフォーマンスが非常に落ちてしまっています。
このSmart PC Careというアプリですが、インストールしてしまうと定期的に様々な怖いメッセージが出てきます。
飴と鞭の使い分けがうまく、怖いメッセージの次には優しいメッセージが。
ダメ押しのカウントダウンと攻撃は続きます。
電話してみました。
待たされることなく、カタコトの日本語をしゃべる女性の方と繋がりました。
付近で別の方が電話対応をしているような声がガヤガヤと聞こえてきます。
(男性と女性、それほど広くないスペースに3~4人といった感じでしょうか。)
「お客様どうされましたか?」
「何をしましたか?」
「それは私たちが操作して直さないといけません。」
途中何を話してもカタコトという盾を駆使されて、ここへ導かれます。
「キーボードの左下に何が見えますか?」
「Ctrlの隣にWindowsマークが見えますか?」
「WindowsキーとRを同時に押してください。」
(一文字ずつアルファベットを読み上げられる)
例:www.support.me や www.logmein123.com
「最後に下にあるOKボタンを押してください。」
「何が表示されましたか?」
恐竜が出てます…。
「お客様、インターネットに繋げないといけません。」
「インターネットに繋げてください。」
どうやったら繋がりますか?(日本語が通じない様子)
「インターネットに繋げてください。」
恐竜が出てるんですけど…。
ん、、、なんか電話切られた!?
独立したネット接続を作って再度電話。
(ルータの設定を変更してゲスト用SSIDを作成)
別の女性と思われる方が対応、やはりカタコトの日本語。
さっき途中で電話が切れてしまった旨を伝えると、男性だったか女性だったか聞かれる。
「さっきの人は突然忙しくなりました。」
要は、今他の対応で手が離せない模様。
「ちょとまってください。」いきなり保留。
「私さっきの人です。ネットは繋がりましたか?」
あぁ本当だ。さっきの人だ。
「OKボタンが出るのでOKを押してください。」
リモート接続をしようとしているようなので従ってみた。
以前聞いた話だと、コマンドプロンプトを開いてディレクトリ一覧表示をして「こんなにウイルスに感染している」などと言ってくると聞いたことがあったので、何をやるのかワクワクして見ていたら、今は直球勝負になっているようだ。
ファイル名を指定して実行(Windowsキー + R)
→ notepad と入力してメモ帳を開いた。
しばらく沈黙が続く中、以下のように手で入力している。
namae; ketai bango; mail address; address;
「お客様、こちらにお答えください。」
何のために必要なのかを聞いてみたが、やはり言葉の壁を上手く利用してきて、一方的な言い分しか言ってこない。
さすがにこれは怖いので、ダミーを入れてみた。
適当なタイミングで電話だけ切ってみたら、リモート接続中のメモ帳に
denwa bango;
と何度も書かれてグルグルと赤丸までされてしまった。
電話が切れたので、あちらから掛けてみたが繋がらなかったようだ。
その後、そっとネットワークも切断して、該当パソコンを初期化しました。
今回はここまでしか体験しませんでしたが、ご依頼のあったお客様は個人情報も入力してしまい、20万円の請求電話が何度もかかって来たそうです。
Windows不具合カタコト詐欺の被害に遭ってしまったら
- パソコンから該当ソフトを削除(レジストリも)
- 困難な場合は、データのバックアップをとり、OSの初期化。(今回はこれを実施)
- メールや電話、場合によっては郵送で身に覚えのない請求が来る可能性があるが全部無視する。
- 対応が難しい場合には誰かに相談する。
できれば個人情報を入力する前に、平常心を取り戻せるのが理想なのですが。